イランで頭髪を覆うスカーフを適切に着けていなかったとして拘束された女性が死亡したことを受け、首都テヘランなどで20日、5夜連続となる抗議デモが実施された。女性たちがデモの先頭に立ってスカーフを燃やすなど、抗議は激しさを増している。

マシャ・アミニさん(22)は13日、女性に頭髪をスカーフで覆うよう定めた法律に違反したとして、テヘランで道徳警察に逮捕された。まもなくして勾留施設で意識不明に陥り、16日に病院で死亡した。
国連人権高等弁務官代理ナダ・アルナシフさんによると、アミニさんは警棒で頭をたたかれ、警察車両に頭を打ちつけられたとの報告が出ている。
警察は虐待行為を否定。アミニさんが「突然の心不全」を起こしたと述べている。アミニさんの家族は、彼女は健康だったとしている。
アミニさんの出身地の西部クルディスタン州では19日、デモ参加者たちに治安部隊が発砲し、3人が死亡した。

イランのクルド人居住地域の人権を監視している団体Hengaw(本部ノルウェー)は、17~18日にクルディスタン州の州都サナンダジュとサケズであった抗議デモで、機動隊が実弾とゴム弾、催涙ガスを発射し、38人が負傷したと発表した。
同団体はまた、19日にはサケズなどで治安部隊との衝突が発生し、デモに参加していた男性3人が射殺されたと報告した。
インターネットに投稿された動画によると、テヘランでは女性たちがスカーフを脱いで、「独裁者に死を」と叫んだ。このかけ声は、最高指導者を指すことが多い。また、「正義、自由、ヒジャブ(スカーフ)の義務化に反対」と叫ぶ人もいた。北部ギラン州でも、抗議者たちと警察が衝突した。

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