マイクに向かって「安倍晋太郎をよろしくお願いします」

 晋三は小さなころからわりあい政治に興味があったようです。晋三が9歳のときに主人は一度選挙に落選するのですが、浪人中のあるとき、晋三の小学校の遠足の後、父兄の方から「小さいながらも、お父様のことはやっぱり気になっているらしいのよ」と言われたことがあります。なんでもバスの中で、みんなが順番にマイクを持って歌っていたのですが、晋三は回ってきたマイクに向かって「安倍晋太郎をよろしくお願いします」と言ったのだそうです。

 同じころ、「ぼく、山口の学校に行こうかな。お友達ができるから、選挙のときにいいんでしょう」と言って、わたくしを驚かせたこともありました。

 学校は小学校から大学まで東京の成蹊でした。勉強のほうは、あくせくするほうではありませんで、のんびりとやっておりました。特に社会、歴史といった教科には興味があったようです。高校生のころ、「先生がこう言ったから、それは違うんじゃないかと反論した」と聞かされたこともありました

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