日本が国際捕鯨委員会(IWC)を脱退し、商業捕鯨を再開して、7月で3年になった。業者は捕獲枠が抑えられた中で収益を確保するため、希少な部位を生肉で流通させたり、新たな食べ方を提案したりして、庶民の味として親しまれた鯨肉の高級路線化を模索する。

 キャビアを乗せた「尾肉」の白エビ巻き、桜チップで燻製した鯨ベーコン、赤身肉とイクラの冷たいカッペリーニ――。かみしめると、こくのある肉の味が口いっぱいに広がった。東京都中央区の「築地ボン・マルシェ」は、店独自にアレンジした鯨料理を提供する。コース6品で1万2000円から。「都心を中心にメニューが洗練され、グレードが上がっている」。沖合操業を手がけ、飲食店とも連携する共同船舶(東京)の所英樹社長は手応えを語る。

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