東京・銀座に異様な一角がある。
中心部の商業施設のワンフロアをすべて貸し切った「M銀座ウイスキー博物館」だ。
ここに置いてあるのはすべて日本のウイスキー。ざっと見ただけで数千本あるのだが、ほとんど値札はついていない。

「日本語学校などを経営している会社が運営しており、店員も中国人がけっこういます。
国産ウイスキーの世界的人気を受け、訪日観光客目当てに開業したようです。客はほとんど中国人か香港人、シンガポール人。
100万、200万円するウイスキーもたくさんありますが、店員によれば『都心のタワマンの高層階が買える金額』の商品もあるそうです」
(同店を訪れた男性)

 同店は残念ながら取材拒否だったが、今、国産ウイスキーが中国で大きな需要を生んでおり、転売ビジネスは花盛りのようだ。

「人気が特に高いのは『山崎』や『響』、『白州』で、熟成年数にもよりますが中国では数十万、数百万円で売られています。
ほとんど日本から送られたもので、国内の在庫を買い漁るのは在日中国人たちにとって割のいい副業になっています」
(中国人留学生)

国内では近年、国産ウイスキーの品薄状態が続いている。

世界的な日本ウイスキーブームで原酒が品薄となっているからだ。
サントリーは8月、山崎蒸溜所のギフトショップで、「山崎」など一部商品の販売を休止すると発表。
フリマアプリなどではすでに定価の数倍、数十倍で売買されているが、ますます高騰しそうだ。

 中国需要の最前線について、買い取り業務を行っているUPSTARTの担当者は言う。

「弊社は廃業した飲食店から買い取り依頼を受けることが多いですね。買い取り額の平均は1本当たり数千~数万円で、
それを国内の中国系企業に買ってもらいます。そこから中国に輸出されるようです。

 これまで買い取った中で最高額は『山崎25年』で150万円ですが、基本的に薄利多売なので、儲けは多くない。
長期的に見れば国産ウイスキーの価値は上がる見通しなので、今後も続けていきます」

https://news.yahoo.co.jp/articles/290ae4147cac4329f6f18d0afbb0e94983b65593

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