https://www.bbc.com/japanese/62990289
北朝鮮、ロシアへの武器提供を否定
北朝鮮は、ロシアに武器を売却したこともなければ、今後もその予定はないと表明した。北朝鮮国営メディアが22日、伝えた。
北朝鮮の国営・朝鮮中央通信(KCNA)は、匿名の国防省職員の話として、「我々は後にも先にも、ロシアに兵器や銃弾を輸出したことはないし、そうした計画はない」と伝えた。
また、アメリカをはじめとする「敵対勢力」について、「政治的・軍事的目的を果たすため」にうわさを広めていると非難した。
アメリカの当局は先に、ウクライナへの侵攻を続けるロシアが、北朝鮮から数百万発のロケット弾や砲弾を調達しようとしていると指摘。西側諸国の制裁により、ロシアの軍用品などの供給能力が低下しているため、そうした動きを取っているとの見方を示した。
ロシアは当時、そうした分析は間違いだとしていた。
ロシア・北朝鮮間で兵器の取引があった場合、国連の制裁決議違反となる。
米司法省の報道官は9月初め、ロシア政府がウクライナで使用するための数百万発のロケット弾や砲弾を、北朝鮮政府から調達しようとしているとの見解を示した。
しかし、米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー報道官はその後、購入はまだ完了しておらず、ウクライナの戦争で使われると示唆する証拠もないと述べ、この見解にただし書きを付けた。
ロシア軍は2月に開始した侵攻で、巡航ミサイルなど先進的な兵器を使用しているものの、多大なコストを払っている。ウクライナ軍はこの数カ月、西側諸国から提供された武器を使用し、ロシア側に大きな損失を与えている。
北朝鮮が保有するロシア製兵器の多くはソ連時代のものだが、ロシアのものと似たようなミサイルも保有している。
北朝鮮は7月、ウクライナ東部でロシアが後押しする2か所の分離派地域を承認。ウクライナは報復措置として、北朝鮮との国交を断絶した。
また、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は8月、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記宛ての書簡で、「包括的かつ建設的な二国間関係を拡大する」と約束した。