アイスキャンディーにオレンジジュース、油そば代──。普通の会社ではとても経費で落とせない私的な支払いを、安倍元首相は政治資金で処理しまくっていた。日刊ゲンダイは以前、安倍氏が代表を務める資金管理団体「晋和会」の1件1万円以下にかかわる少額領収書の写しを開示請求。すると、デタラメな領収書が続々だった。その実態を2015年に報じたが、改めてそのズサンさを振り返る。
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〈赤城ガリガリ君コーンポタージュ×2 ¥252〉
2012年9月5日に「セブン-イレブン衆議院第一議員会館店」が発行した領収書には、こう印字されていた。時刻は12時44分。ランチタイムに会館事務所で安倍氏本人かスタッフがガリガリとかじりついたのか。
■“神の水”も購入
さらに、12年2月23日付の領収書には、サントリーのオレンジジュース「なっちゃん」などに計569円を支出した旨の記載がある。安倍氏は、自身のフェイスブックで「なっちゃん」をゴクゴクと飲む写真を投稿。秘書の書き込みとして〈最近時節柄か「なっちゃん」見ませんねぇ。安倍さんキヨスクで探してました〉と記されていた。お気に入りのジュースを政治資金で買っていたわけだ。
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さらに、安倍氏本人が「あの水じゃなくちゃ、ぜったいダメなんだ」と周囲に語っていたという“神の水”も購入。これは、新潟・神立温泉の地下1400メートルからくみ上げた天然温泉水という触れ込みで、都内の「光ジャパン」という会社がネット販売していたもの(現在は中止)。15年当時〈老化防止だけでなく、延命効果もある〉などとうたわれていた。https://news.yahoo.co.jp/articles/10aefe0bac460bbbcd34e6c0a720d8f7f7530250
その他、東京・渋谷のラーメン店に1人前の油そば代、新宿の居酒屋に1人分の食事代を支出。トローチやカイロ、風邪薬と、安倍氏本人かスタッフの個人的な買い物としか思えない支出を繰り返していた。
私的な支出続出の背景には晋和会の“バブル”状態が?
問題は、これらの支出を全て「事務所費」として処理していたことだ。総務省は事務所費について、事務所の家賃や電話代や切手購入費など〈事務所の維持に通常必要とされるもの〉と定義している。おやつやランチ代が事務所の維持に必要とはとても思えない。ポケットマネーで買うのが常識だろう。