精神科はどこに行けば良いかわからないと言う話 | kyupinの日記 気が向けば更新
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精神科に限らず、どの診療科でもどこの病院やクリニックが良いか意外にわからないものだ。
僕も困ることがよくある。なお、過去にどこに行くか最も悩んだ診療科は整形外科であった。歯科もわからない科で、友人の間で評判の良い歯科に行くようにしていた。
今はインターネットに口コミなるものがあるが、あれはアテにならないので、信用できない。
そもそも僕が15年くらい通院した歯科は口コミは酷いものだった。その歯科医は僕が生まれて以来最も上手いと思ったが、口コミはほとんど技術的なものには触れていなかった。なお、今はその歯科医には通っていない。その理由は自費医療費が不明瞭だからであった。たぶんその歯科医は東京だと今よりずっと成功すると思う。
嫁さんはとっくにその歯科に見切りをつけたが、その理由は痛いからであった。よく、歯科医の良し悪しを痛い・痛くないで評価する傾向があるが、あれって関係なくないか?
僕は精神科医なので、痛い感覚が100パーセント歯科医のせいとはみなさず、むしろその人の疼痛の閾値とか、疼痛への脳の親和性の問題と考えるので、痛いことを歯科医のマイナス評価としない。
ただし、痛くなく歯科治療するのは1つの技術ではあるので、彼はそれを軽視しているか、あまり気にしていないのだと思う。なお、その歯科クリニックは医療費が高すぎてお金持ちしか来ない。僕が面白いと思ったのは、歯科治療をする際に、よく講義をしながらしていることである。聴いているのは歯科衛生士、大学病院歯科医、それと僕に聴かせるのも20%くらいあると思った。
そもそも病院には、ネット上の悪い口コミを訂正するサービスの営業が来る。なお、この営業を断ると悪い口コミが更に増える。(これこそ、ネット上の口コミの全てを表している)
精神科医療機関では、精神科医から見てもあそこは県内でも良いと思われる病院が普通に低評価されている。たぶん精神科に限れば、悪い評価をする人が口コミする傾向があるので、評価がおしなべて低いのはやむを得ない。それもおそらく精神科の疾患性の範囲である。
各診療科には得手不得手があり、例えば血液内科専門に行くべき人が、異なる専門の内科に行くと、深い診たては得られない。
整形外科も手術がとても上手で患者さんが集まる医師もいれば、手術はほとんどしないが仙腸関節に詳しく、なかなか他の整形外科でなかなか治療ができない疾患を得意にする医師もいる。
各診療科には更に細かい得意とする分野があると言ったところである。
(中略
そのような日常の経験から、平凡な精神疾患でさえ、どこの精神科に行けば良いというアドバイスは非常に難しいことに気付いた。結局、精神科は病院より医師というのも大いにある。
ましてアメブロメールで、○○県に住んでいるが、どこの精神科病院が良いでしょうか?と言う質問が来るが、地元でさえ難しいのに良いアドバイスができるわけがない。
逆に地元の県では、行ってはいけない精神科病院とかクリニックはすぐに挙げられる。行ってはいけない精神科病院はあまりないが、クリニックだと明確なところがある。
少なくとも診療に疑問があるなら、セカンドオピニオン的に他の精神科クリニックに相談してみるのも一考だと思う。他の精神科に行くことで、今の精神科の悪い点や、逆に良い点もわかると思う。
日本の医療制度の良い点の1つは、どこの病院に行くか自分で決められることだと思う。先進国で医療制度が整っている国でさえ、なかなか専門医に行きつけない国が多い。
このようなことを言うと皆驚くかもしれないが、日本の精神科医は世界一レベルが高いと思っている。(アクセス的なものを含めている。精神科医に行きつき診療される可能性を含めて)
これは、このブログを最初から読めば明白であろう。
なにしろ、日常診療で精神科しかほぼしない医師が初診から診てくれるのである。これは素晴らしいことである。
そういう意味で、行ってはいけない精神科(あるいは心療内科)クリニックに嵌ったまま、他の精神医療を知らず良くならないのは、日本の医療制度の良さを活かしていない。
(後略