プーチン氏が命じた「動員」100万人規模か…対象外の大学生にも招集令状
2022/09/25 09:23
ロシアのプーチン政権が、ウクライナ侵略の兵員を補充するため
発令した部分的動員を巡り、強引な招集の実態が次々と明らかになっている。
動員規模についても、セルゲイ・ショイグ国防相が21日に言及した30万人にとどまらず
100万人規模との報道が相次ぎ、国民の不満は高まるばかりだ。
露独立系人権団体によると、モスクワなどで24日、再び抗議デモが行われ、少なくとも554人が治安当局に拘束された。
シベリアのメディアによると、ブリヤート共和国にある人口約5500人の村では
プーチン大統領が部分的動員を発令したテレビ演説から数時間後の
21日夜、対象者宅の訪問を担当者が始め、翌日午前4時に集合するよう指示した。
午前10時には男性約700人が、訓練施設に向け出発した。
極東沿海地方は約7700人の招集を24日までに終える予定だ。
地方政府の迅速な対応が際立つが、粗さも目立つ。
ブリヤートでは、動員対象外のはずの大学生にも招集令状が渡された。
南部ボルゴグラード州では、63歳で糖尿病などの持病も抱える退役軍人が、身体検査を受けずに招集された。
動員規模の不透明感が社会の動揺に拍車をかけている面がある。
露大統領府が21日に公表した部分的動員令では、規模を記載した第7項を「機密扱い」として開示していない。
ショイグ氏が言及した30万人という数字も国営テレビでの発言だけだ。
動員が11月まで3段階に分けて実施されるとの情報もあり
ロシア語の独立系ニュースサイト「ノーバヤ・ガゼータ欧州」は
22日、大統領府関係者の証言として、第7項は「最終的に100万人になった」と報じた。
露大統領報道官は否定したが、独立系ニュースサイト「メドゥーザ」も23日、動員規模は「120万人」と報じた。
https://www.yomiuri.co.jp/world/20220925-OYT1T50070/