里芋の皮むきで手がかゆくなる理由 「ぬめり成分」は血糖値上昇をゆるやかにする効果も
秋になるとスーパーに並ぶ里芋。イモ類の中ではカロリーが低めで、減量が気になる人に向く食材です。
日本では古くからめでたい野菜として親しまれてきた里芋ですが、
熱帯地域にルーツがある作物なので、日本で花が咲くのは極めて珍しいとか。
秋の味覚・里芋の栄養について、和漢歩実さんに伺いました。
古くから日本人に親しまれてきた野菜
秋の風物詩「いも煮会」や「芋名月」など、日本人は古くから里芋を年中行事に用いてきました。
縄文時代にはすでに存在し、稲作よりも前からある作物ともいわれています。
里芋と呼ばれるのは、長芋など山で採れる山の芋と区別して、里で栽培されたイモだったことからとの説が有力です。
お正月のお節料理などおめでたい席にも里芋は使われます。
これは里芋が親イモの回りに子イモ、孫イモとたくさん増えていくため。
「子孫繁栄」を意味する縁起の良い食べ物として親しまれてきました。
元々は、東南アジアなど熱帯地方が原産。タロイモと同じ仲間です。
土の中で里芋はできますが、根ではなく茎が肥大したものです。里芋の葉は大きく、盾のような形で長い葉柄を持ちます。
葉柄は芋がらやずいきと呼ばれ、煮物やみそ汁の具としておいしくいただけます。
花は水芭蕉のような仏炎苞で色は黄色で南国っぽさがあります。日本で里芋の花が咲くのは珍しいといわれています。
里芋といえば、独特のぬめりが特徴です。これはガラクタンという成分です。
血糖値の上昇をゆるやかにし、血中コレステロール値、血圧値の調整に期待できるともいわれています。
炭水化物が主成分で、他のイモ類と比べると余分な水分や塩分を排出するといわれるカリウムを多く含みます。
そのためむくみや高血圧が気になる人にも良いでしょう。エネルギーは水分が多いため、低めです。
触っていると手がかゆくなる原因は?
里芋を調理している際に手がかゆくなった経験がある人もいるでしょう。
これは長芋などにも含まれるシュウ酸カルシウムが原因です。
皮の近くに含まれていて、食べる時は影響しませんが、皮膚に触れると針のような形の結晶が皮膚を刺激し、かゆみが生じます。
熱や酸に弱いので、シュウ酸カルシウムによるかゆみを感じた時は、塩や酢をすりこんで洗うとかゆみはやわらぎます。
また乾燥にも弱いため、里芋の皮を洗った後、しっかりと乾かしてから皮をむくと、
ぬめりが出にくく手がかゆくならないといわれています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e7c66ab25846b8e5a596850eed9dfa97cd89730e