数多くの関係者を取材するなかで度々聞こえてきたのが、球団側に厳しい対応を取られるのではないかと気にする声だ。
「かつての巨人はメディアを出禁にすることが多かった。例えば契約金や年俸などの“金満体質”を批判したらすぐ出禁になり、しばらくの間選手のコメントが取れず苦労しました。特にキャンプ中だと最悪です。当時よく出禁になっていたスポーツ紙は大体2週間で解除されていたが、夕刊紙ではかなり長期間に及んだ例もあった。それでも夕刊紙は外部の執筆者とパイプがあれば記事になるけど、毎日の試合経過や背景を書くスポーツ紙は厳しい」
「今時、かえってネタになるような露骨な脅しをやる球団なんてありませんよ。ただ、記者に別の独自ネタを提供して書かせないことはままある。また球団関係者が懇意にしているキャップなどに『理解してくださいね』とやんわり伝えてくる。メディア側は球団に“貸し”が作れるので要望を呑むことが多い」
こうした構図のなかでメディア側に“忖度”が生まれていくという。匿名を条件に、巨人戦の野球解説も務める野球評論家が実情を語ってくれた。
「特に選手を個別に呼ぶことが多いテレビやラジオは深刻です。どの局にも中継の多い巨人に食い込むディレクターがいて、球団と持ちつ持たれつの関係です。中継さえスムーズにいけばいいんだからスキャンダルなんて報じる必要がない」
https://news.yahoo.co.jp/articles/02b64d43ec297b77694a0ddfd998e36803b4b91e?page=2