これまで教団は、政治家による関連団体への祝電やイベント出席が取りざたされるたびに、「教団と関連団体は別組織である」という態度を一貫して取ってきた。別組織だから、教団とは一切関係がないという言い分である。

にもかかわらず、関連団体UPFの幹部である魚谷氏が教団本体の信者向け会議に出席。衝撃の発言を行っていたのである。魚谷氏は、

「これまでメディアや反対勢力からは、UPF、YSP(世界平和青年学生連合)、APTF(真の家庭運動推進協議会)などが家庭連合の隠れ蓑として用意されているフロント組織であるという批判が繰り返されています」

と前置きをした上で、図を示しながら、教団と関連団体の関係性についてこう説明した。

「今の状況をご説明するために、ファイヤーウォール、防火壁についてご説明したいと思います。何かトラブルがあったときにその責任が団体に及ばないようにするために壁を作っておくということで、真ん中に家庭連合、旧統一教会があって、その脇に二つの壁が作られています。左側の壁は、いわゆるトラブル、『霊感商法』『違法伝道』『高額献金』、そして一部の刑事事件などが起こったときに、その責任が宗教法人に降りかからないように作っている壁ということになります。

で、右側のファイヤーウォールが何であるかというと、UPFにしても勝共連合にしてもその他団体にしても、教会そのものではなく独立してますよ、と。そこに閣僚や議員や首長は関わったのであって、統一教会そのものとは違うので、教会が起こした問題には責任がありませんよということで、この壁で議員たちや政治家が守られるように何とか機能させていたんです」

しかしそのファイヤーウォールが、安倍晋三元首相の銃撃事件を契機に崩壊したとして、魚谷氏はこう続けた。

「火の粉がすべてに覆いかぶさるように完全突破された状況になっております。ファイヤーウォールのことを強調して、関連団体にだけ関わっていたんですよということでは言い訳ができなくて追及される状態になっております」

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