家電大手「ハイセンス」、中国テレビの輸出をけん引 北米でシェア12%に
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中国テレビ業界は第3四半期(7~9月)に入り、海外市場が販売の最盛期を迎え、多くの企業は受注がいっぱいで、中・高価格帯テレビは特に増加の勢いが顕著である。中国のテレビ業界をリードする海信(ハイセンス)ブランドは、海外市場で人気を博している。

中国家電大手、海信集団(ハイセンス)の傘下で「ハイセンス」ブランドのテレビなどを手掛ける海信視像科技の李敏華(り・びんか)助理副総裁によると、「ハイセンス」ブランドテレビの世界販売台数は今年に入ってから大幅に増加し、上半期(1~6月)の出荷台数は前年同期比で2桁増となり、海外市場の中・高価格帯テレビの販売台数は60%増えた。

中国税関総署の最新データを見ると、中国の液晶テレビ輸出は年初以降、増加の一途をたどっており、7月単月は前年同月比30.4%増の843万台、1~7月の累計は前年同期比16.4%増の5158万台に上った。より高い品質、より良い画質、より薄いデザインを頼りに、中国ブランドのテレビは海外の消費者の人気を集めている。

世界の重点テレビ市場では1~6月、「ハイセンス」ブラントが堅調な伸びを見せた。販売台数のシェアは北米市場で1.5ポイント上昇の12.0%、欧州市場ではフランスで3.8ポイント、英国で1.5ポイント、スペインで1.4ポイント、ドイツで1.2ポイントそれぞれ上昇した。日本市場では、東芝のブランド(18年にハイセンスが東芝のテレビ事業を取得)を合わせたシェアが32.2%で首位をキープした。豪州市場では19.0%と2位を維持し、南アフリカ市場では28.3%で首位に立った。

「ハイセンス」ブランドの海外での好調な売れ行きと、サッカーの欧州選手権(EURO)やワールドカップなど世界的なスポーツイベントのスポンサーになったことにより、ブランドの世界的影響力も高まっている。米グーグルと英調査会社カンターが最近発表した「中国のグローバルブランドトップ50」ランキングでは、「ハイセンス」が6年連続でトップ10入りし、家電業界のトップブランドの座を守った。

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ハイセンスは日立と非常に関係の深い中国法人である。中国では法的に外資系企業が設立できないという事情から表向きは日立グループではなかったが、実質的に「日立の工場」であり、同社のエアコンや冷蔵庫やテレビなどを生産していた。日立は何にでも頭文字「Hi」と付ける傾向があるが、まさにそれである。

日立のテレビ事業は2005年度から赤字に転落、2007年度後半から2009年度にかけてリストラの嵐が吹き荒れ、2012年度に完全撤退となった。この際に事業所ごと切られたのがハイセンスであった。

しかし工員たちは諦めず「Wooo」に「HiSense」のロゴを付けて生産を継続した。このため同社のテレビは中国製にも関わらずB-CAS前提のバリバリの日本仕様、ファームウェアもそのまま流用なので地デジの番組表もWoooそのものであった。

無名メーカーのテレビといえばホームセンターでしか売られないのが定番であるが、法人は変われど営業担当者の人と人との付き合いからか同社製品はヨドバシカメラなどの家電量販店にも陳列された。ただし従来のWoooのようなハイエンドな値付けは行われずローエンドな安物扱いであった。

それでもこれらの事情を知っている情強を名乗る人々の間では「性能は良い」「値段は安い」と非常に人気があった。

2018年には東芝映像ソリューションを買収して「REGZA」ブランドのテレビの生産を開始した。