禅宗の話で思い出した
白隠慧鶴という人物がいる
江戸時代中期の人で臨済宗の中興の祖らしい

彼は15歳で出家したのだが、24歳のときに「禅病」という謎の病気にかかる
ここからが面白いのだが、彼は京都白川村の山中に住む仙人「白幽子」(ちなみに年齢180~240歳)を訪ね「内観の法」を伝授されて完治したのだそうだ
内観の法の内容の一部は40年後に開陳されたが、なんだか「丹田に気を集め丹をつくり…」だの怪しさ満載
以降、白隠は「内観の法」を売りにして「気功術」の治療道場を地元の寺で開き、大いに繁盛することになる(もはや新興宗教??)

まあ禅宗が仏教と中国の神仙術のハイブリッドとはいえ、こんな怪しい話を信じる人は現代の臨済宗信者にはおるまい
ぶっちゃけ「禅病」の正体は「栄養失調」だったと思われる
彼は自分の食事はすべて自分で作り他人には作らせなかったという(何かコッソリ混ぜてたんですか?)
なお、私の好きな伴蒿蹊の近世畸人伝には「白幽子の件はぶっちゃけ白隠が自分を権威づけるために作ったホラ話」と一刀両断してる
同時代人にとってもおかしな話だったんだろう