読売新聞2022/10/02 09:00
https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20221002-OYT1T50003/

全国の小中学校1校あたりの図書購入費が2021年度、9年前の12年度より7万~10万円減り、平均図書購入冊数も100冊程度、少なくなっていることが、全国学校図書館協議会の「学校図書館調査」でわかった。政府は1993年から「学校図書館図書整備等5か年計画」を実施しているが、学校図書の計画的な整備が十分に進んでいない現状が明らかになった。

協議会は63年から調査を開始。今回は全国の1192小中高校を抽出、54%の638校から回答を得た。

その結果、1校あたりの平均図書購入冊数は2012年度に小学校390・5冊、中学校480・6冊だったが、21年度は小学校299・2冊、中学校361・8冊と、100冊前後も減少した。1校あたりの図書購入費は、小学校が54万円から47万円、中学校が68・9万円から59万円と、7万~10万円ほど減っていた。

文部科学省は、学級数に応じて学校図書館が整備すべき蔵書数の基準を定めている。22年度から実施の第6次「学校図書館図書整備等5か年計画」では、全公立小中学校での基準達成を掲げている。同省は「現状の達成率は中学校で6割程度だ」として、自治体に予算の充実を促す方針だ。

同協議会の磯部延之調査部長は「5か年計画の実施で学校図書館の図書購入予算の増額を期待したが、ほとんど増えていない。学校司書も足りず、図書の廃棄や更新の遅れにつながっている」と指摘している。