梶本医師はサウナの健康効果について否定的で、むしろ危険だと訴える立場を取る。その理由をこう解説する。

「高温の空間で大量に汗をかくため、脱水症状や熱中症をおこしやすくなります。脳温度が上昇し自律神経がオーバーヒートすると、血圧や心拍、体温などの調節機能が低下し、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが生じます。そんな状態で水風呂に入ることは、心臓発作のリスクをさらに高めることになります」

そして、「サウナは百害あって一利なし……せめて一利ならあるかもしれない、というくらいの認識です」と続ける。

では、その「一利」とは何か。梶本医師は、厳しい寒さの冬が長く家にこもりがちになるフィンランドの特殊な生活環境だからこそ生まれた、サウナの効用に言及する。
「家に閉じこもるようになると、汗を出す汗腺が閉じてしまいます。汗腺には体温を調節する重要な役割があり、これは自律神経の働きによって制御されています。汗をかけない極寒の環境ではサウナという外的刺激によって汗腺を開き、自律神経による体温調節機能を回復させてあげる、というプラスの効果はあるのかもしれません」

https://news.yahoo.co.jp/articles/9e39edf1afc0fced75af4ba101865896ba80c441