2021年のノーベル物理学賞は、日本出身で米国籍の気象学者、眞鍋淑郎氏が受賞した。眞鍋氏は米プリンストン大学の上席研究員で、地球温暖化理論の第一人者。
1950年代から気象研究に取り組み、大気中の二酸化炭素が増えると地表の温度が上昇するということを世界で初めて数値で示した。

1931年に生まれた眞鍋氏は、現在90歳。東京大学大学院を修了した1958年に27歳で渡米し、1975年に米国市民権(国籍)を取得、キャリアのほとんどをアメリカで築いてきた。会見で、米国籍を選んだ理由について、眞鍋氏は、

「日本人は調和を重んじる。イエスがイエスを意味せず、常に相手を傷つけないよう、周りがどう考えるかを気にする。アメリカでは、他人にどう思われるかを気にせず好きなことができる。私は私のしたいことをしたい」と述べ、

“I don’t want to go back to Japan.” “Because I am not able to live harmoniously.”

「私は日本に戻りたくない」「なぜなら調和の中で生きる能力がないから」と答えた。

会場ではこれをジョークと解釈したのか和やかな笑いが起きたが、私は大真面目かつ率直な発言だと感じた。海外で生きている多くの日本人がこのひと言に共感したと思う。
日本社会の持つ同調圧力、突出した人を抑圧し、異端を排除しようとするエネルギーは、いったん日本の外に出た人間の目から見るとかなり独特で、息苦しいものだ。とりわけ自我が強いタイプ、単刀直入にものを言うタイプの人は消耗する。

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