【ボルチャンスク(ウクライナ)】ロシアとの国境から数マイル離れたウクライナ北東部ボルチャンスクにある広大な機械部品工場に、ロシアの取調官たちは任務で使った道具を残していった。ここはウクライナ軍によって最近解放された町だ。
収容所として使われた建物内では、ゴム製の警棒が2本見つかった。元被収容者らによると、これで背中を殴られたという。また、ふくらはぎを殴るための木製の棒が1本残っている。ウクライナに侵攻したロシア軍を象徴する「Z」や「V」のマークが付けられた高電圧パネルは、拘束された人たちを電気ショックで痛めつけるのに使われた。その上には、第2次世界大戦中に用いられていた旧ソ連のポスターのレプリカが今も飾られている。
かつて収容されていたドミトロ・ズレンコ氏(26)は今週、この元収容所を訪れた際、「やつらはわれわれを殴り、苦しめ、森に連れて行っては頭上を狙って銃を撃った。そして毎日午前11時になると、電気ショックを与えるために私をここに連れてきた」と話した。
同氏は「ここにいた間、もう生きていたくなかった」とつぶやいた。
https://jp.wsj.com/articles/electric-shock-extortion-and-slave-labor-how-russia-ran-a-detention-camp-in-occupied-ukraine-11664504996