「りぼん」発の高校生×結婚サバイバル漫画『初×婚』は、結婚に向き合うピュアさが最高に響く作品

 現在『りぼん』で連載中のマンガ『初×婚』(黒崎みのり/集英社)は、結婚を前提とした高校生カップルたちが競い合う、少し変わった物語。舞台は大手IT企業が創立した七海学園高校。入学者はマッチングシステム・デステニーが同級生の中から決定したパートナーとともに、男女ふたり一部屋の寮生活を送りながら、3年後に選ばれ、卒業と同時に入籍&大IT企業の社長になれるという「金の夫婦の卵(ゴールデンカップル)」目指して様々なミッションに挑みます。特殊な設定で連載開始当初から話題を集めていた本作。しかしその魅力は特殊な設定だけではありません。本稿では『りぼん』読者だけでなく、広い世代が楽しめる本作の魅力を紹介します。

周囲を変えていく強さを持つヒロイン・倉下初

 本作のヒロイン・倉下初(うい)は中学生の時に事故で両親が他界。自分の両親のように愛にあふれた結婚をするため、七海学園高校にやってきます。両親からの愛を全身で受け止めてきた初のコミュニケーションは常に直球。嫌がらせをしてくる相手にも自ら立ち向かうし、本心を見せないパートナー・鮫上紺にも正面から向き合い続けます。紺はそんな初にだんだん惹かれていきますが、影響を受けていくのは紺だけではありません。ライバルのカップルである同級生たちもまた、何事にも立ち向かい、決して逃げない初に影響され、自分と、そしてパートナーと向き合うようになっていくのです。誰かに照らされるのではなく、自分の力で輝いて周囲を照らす。初はそんな令和らしいヒロインと言えます。

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