福島の国道6号、全線で自転車と歩行の通行可に 11年半ぶり
10/4(火) 6:15配信
福島県沿岸部を南北に走る国道6号が、11年半ぶりに自転車や歩行で全線通行できるようになった。8月末までに東京電力福島第1原発事故に伴う立ち入り規制緩和や避難指示解除が進み、サイクリングをする人も見られている。ただ、大型トラックなどの通行は多く、県警は交通事故防止の観点から一部で駐停車禁止の交通規制を継続している。
同県大熊、双葉両町にまたがる第1原発の西側を走る国道6号は、2011年3月の原発事故で通行が制限された。その後、14年9月に四輪自動車のみ通行許可証なしに全線通行できるようになり、20年3月には放射線量低減や地元の要望を受け、自動二輪や原付きバイクの全線通行も認められた。
一方、災害や交通事故の際に速やかな退避が難しいとの理由で、自転車や歩行の制限は続けられていた。
国道6号にかかる帰還困難区域については、同県富岡町の特定復興再生拠点区域(復興拠点)は今年1月の立ち入り規制緩和を受け、自転車と歩行の制限が撤廃された。大熊、双葉両町にかかる部分は、町内にそれぞれある復興拠点の避難指示解除(6月末と8月末)をもって通行可能になった。
一方、県警は富岡町本岡新夜ノ森地区―双葉町の国道6号上で、緊急時を除く駐停車の禁止を続ける。見物による駐停車などが交通事故を招く懸念があるためで、地元自治体との協議や交通量の推移を踏まえ、今後の対応を検討するという。
大阪府の税理士の男性(57)は被災地の現況を見るため9月下旬に福島を訪れた際、持参のロードバイクで富岡町から双葉町の国道6号を走った。「(原発事故に伴い閉店した)沿道の店舗が荒廃していて、まだまだ復興が進んでいない状況を感じた」と振り返った。
新たに通れるようになった区間に置かれている国のモニタリングポストによると、3日現在の空間放射線量率は、大熊町西大和久で毎時1・3マイクロシーベルト台、双葉町新山高万迫や富岡町新夜ノ森で同0・6マイクロシーベルト台を記録している。【尾崎修二】
https://news.yahoo.co.jp/articles/dd4eede23094a83b1455a327e0cb5ebd165f7535