コロナ禍で女性だけ自殺が増えている なぜ?

「死にたい」「苦しい」「消えたい」。

若い女性たちの支援を行う団体にSNSで次々に寄せられる切実な心の声。生きづらさを抱えた女性たちが助けやつながりを求めています。

減少傾向だった自殺者の数は、コロナ禍に入って男性の減少が続く一方、女性は増加に転じています。
コロナ禍が女性の自殺にどのような影響を与えているのか。最前線の支援の現場で女性たちの声に耳を傾けました。

若い女性から届く「死にたい」

BONDプロジェクト 橘ジュン代表

コロナ禍になって、10代や20代の女性からの相談が相次いでいます。
次から次へと相談が入ってきて順番で対応している状態です。私たちができることにも限界があるとも思っていますが、
支援が必要な女の子たちの話を聴きながら、いっしょにどうすればいいか考えてあげることが大事だと思っています。

SNSで寄せられたメッセージ
SNSで寄せられた相談は、2021年度、4万8000件余り。

約30人のスタッフが対応に当たっています。

中には、「死にたい」「苦しい」「消えたい」といった自殺をほのめかすことばも。
先ほども関東地方に住む高校3年生の女の子が家族の虐待から逃げたいと助けを求めてきました。所持金も29円しかなく、
民間のシェルターに払えるお金もないということで、知っている支援団体につなごうと動いています。コロナ禍でオンライン相談も

オンライン相談の様子
コロナ禍の2020年5月から定期的に始めたオンライン相談は、これまでにのべ300人以上が利用しています。

この日は、18歳の高校生からの相談に対応していました。
コロナ禍で、もともとうまくいっていなかった家族と一緒の時間が長くなってさらに険悪になり、今は一人暮らしをしていると言います。

高校生
自分のまわりに壁があるみたい。孤独感が強いから、この世界に自分しかいないみたいな感覚。

寂しさやしんどさを紛らわすために、薬を大量に飲むことを繰り返していると明かしました。

高校生
薬飲んだりしてごまかしている。ふわふわして、しんどいのが紛れる。

スタッフは、ぽつりぽつりと吐き出すことばに、時間をかけて耳を傾けていきます。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/sci_cul/2022/10/story/suicide-prevention221003/