安倍元総理大臣が銃撃された現場について奈良市は、事件の前から計画していたとおり、「車道」として整備し、慰霊碑などは作らないことを決めました。

安倍元総理大臣がことし7月に銃撃された現場は、奈良市が今年度中に広場や道路を整備しようと作業を進めていたエリアの一角です。

事件のあと奈良市は現場について、緑地帯にする案や「歩道」にして近くに慰霊碑などを設ける案、そして以前からの計画どおり「車道」にして慰霊碑などを設けない案の、3つの案を検討してきました。

その結果、計画どおり「車道」として整備するとともに、周辺に花壇は設ける一方、弔意を示す慰霊碑などは作らないことを決めました。

検討に当たっては有識者や近隣住民など合わせて42人から意見を聴き「モニュメントなどを設けると、現場を通るたびに事件を思い出すので設置しない方がいい」という意見が多かったということです。

奈良市に住む70代の女性は「モニュメントはなくてもいい。街として発展するために道路として整備する方がいいと思います」と話していました。

買い物などで近くの大和西大寺駅を利用するという京都府木津川市の60代の女性は「買い物に来るたびに思い出してしまうし、あえてつくらなくてもいいのではないでしょうか。凄惨(せいさん)な事件だったので、きれいにした方がいいと思います」と話していました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221004/k10013848071000.html