摘発急増の危険ドラッグ「ラッシュ」 性的興奮の作用、ネット注文か(朝日新聞デジタル)
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【神奈川】「RUSH(ラッシュ)」と呼ばれる、亜硝酸エステル系指定薬物を含む危険ドラッグの小瓶を、個人で国際郵便で密輸するケースが相次いでいる。1~6月の摘発件数は164件で前年同期の約2・5倍に上り、昨年1年間の161件を上回ったと横浜税関が発表した。半期での記録を取り始めた19年以降最悪のペースという。

【写真】横浜税関が差し押さえた違法薬物RUSHの小瓶=2022年9月28日、横浜市中区、村上潤治撮影

海外から届く郵便物の約9割が川崎東郵便局(川崎市)で取り扱われ、横浜税関が検査している。ラッシュについては上半期、全国の摘発の約9割を横浜税関が占めたという。

ラッシュは性的興奮を高める作用があるとされ、ネットなどで流通。厚生労働省は2007年、主成分の亜硝酸イソプロピルなどを医薬品医療機器法(旧薬事法)の「指定薬物」とし、輸入や販売を原則として禁じた。15年には関税法で「輸入してはならない貨物」に追加された。

ただ、国によっては規制されておらず、ネットで1本(10ミリリットル)500円~数千円で注文し、1~2本ずつ個人が小口で密輸する事例が目立つ。輸入先は、台湾が136件で全体の8割を占め、スロバキア(17件)▽ベトナム(4件)▽スロベニア(3件)――の順。

税関担当者は「密輸すれば、関税法違反で罰される場合がある。ネットでの安易な注文はやめてほしい」と呼びかけている。(村上潤治)