任天堂Switch、7~9月国内販売36%増 スプラ3けん引

任天堂の主力ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の国内販売が持ち直している。ゲーム情報誌「ファミ通」によると2022年7~9月の国内販売台数は前年同期比36%増の118万台だった。9月に発売したソフト「スプラトゥーン3(スプラ3)」がヒットしたことで、ハードの国内販売も伸びたかたちだ。ただ、任天堂は半導体不足で世界的にはスイッチの生産に苦戦しており、足元では在庫が少なくなっているとみられる。

ファミ通は国内の量販店などのデータをもとに販売台数を推計しており、任天堂の公表値との差は小さい。4~6月のスイッチの販売台数は84万台と前年同期比33%減だったが7月以降に盛り返し、4~9月では5%減の202万台だった。21年10月に有機ELを画面に採用した新型機を投入したため、その前の買い控えの反動もあり、22年7~9月の国内販売は大きく伸びた面もある。

スプラ3は4人対4人で遊ぶ通信対戦型のシューティングゲーム。発売3日間の国内販売本数が345万本で、これまでの最多記録だった20年発売の「あつまれ どうぶつの森(あつ森)」の268万本を大きく上回るヒットになっている。8月末からスプラ3のデザインの限定モデルのスイッチを発売するなど、ソフトのヒットに合わせて国内に優先的にハードを振り向けた可能性がある。

一方で、任天堂は電流制御に使うアナログ半導体の調達などがボトルネックになっているため、世界的にハードの生産に苦戦している。23年3月期のスイッチの世界販売を前期比1割減の2100万台と計画しており、古川俊太郎社長は「夏後半から改善する見通し」としていた。需要が高まるなかで供給体制を整えられるかが注目される。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF048NC0U2A001C2000000/