ノーベル賞で脚光浴びた行動経済学が「死んだ」とまで批判されている理由

2002年のダニエル・カーネマンがノーベル経済学賞を受賞し、一躍有名になった行動経済学の「損失回避性」。
インタビューに入る前に、分かりやすい実験をしてみよう。

 ここに、50%の確率で3000円を受け取ることができるが、50%の確率で3000円を支払わないといけないくじがあるとしよう。
あなたは、このくじをもらうだろうか。

たいていの人は、「もらわない」と答えるというのが通説だ。もらわないという人は、3000円を受け取るうれしさよりも、3000円を失うつらさの方が大きいと感じたはずだ。
この傾向を損失回避性と呼ぶ(小川一仁、川越敏司、佐々木俊一郎『実験ミクロ経済学』東洋経済新報社の事例を引用)。

 ところが、近年では損失回避性の効果に疑念が出ているのだ。
損失回避を活用する企業は増えているが、もはや使えなくなってしまうのか。
真相を、川越敏司教授に聞いた。

https://diamond.jp/articles/-/310900