福井の「かみつきイルカ」は「神の使い」だった可能性大 珠洲市の「すずちゃん」帰還待ち望む声
10/9(日) 19:48配信
日刊スポーツ
「神の使いのイルカだったはずなのに…」。今年7月から8月に福井県の海水浴場などで、人にかみつくなどしたオスのミナミハンドウイルカ。実は、20年8月以降、石川県珠洲市で「すずちゃん」の愛称で親しまれてきた野生イルカの可能性が高いことが分かった。名付け親で珠洲市三崎町寺家地区の歴史を研究する寺家歴史研究会の出村正幸会長(46)は「背ビレの欠け具合が一致している」とし、先月28日に福井県坂井市の東尋坊付近での目撃情報を最後に姿が確認されていない、すずちゃんの帰還を願った。
なぜ、神の使いなのか-。その由来は、江戸時代の歴史書「能登名跡志」に記されている「いるかの三崎詣(まい)り」伝説にある。獅子に乗って現在の珠洲市三崎町寺家地区を訪れた神様。ある朝、美しい日の出の太陽へと近づこうと「獅子、いるか?」と探したが、獅子は疲れて睡眠中。「いるか?」の声を聞いたイルカは自分が呼ばれたと勘違いし、神のもとへ。神がイルカを気に入り、使いに出世させた。獅子は翌朝、大きな岩へと姿が変わってしまったと書に伝わっている。獅子岩も現存する。その後、明治時代までは大きな神事の際には、海岸沿いにある三崎町寺家の須須(すず)神社鳥居前に「神の使い」とされるイルカが現れていたとされている。
近年では、珠洲市沿岸でイルカが最初に目撃されたのは20年8月1日だった。お盆時期は老若男女問わず、一緒に泳いだり、遊んだりして、同20日に一時、姿を消した。だが、近年は土日を選んだ開催になっているが、本来は中秋の名月に合わせて行っていた須須神社の例祭日の同年9月14日、鳥居前に再び出現。「神に導かれるように戻ってきた。伝説が現実になったと話題になった」。県社昇格慶賀祭が行われた1896年(明29)に数百頭のイルカが鳥居前に集まったことも「珠洲郡志」に記されている。
※略※
https://news.yahoo.co.jp/articles/ce01c52ae128f9cad605420e5b73a19f06be30ba