今年のノーベル賞の発表が3日、始まった。医学生理学賞は、ドイツのマックスプランク進化人類学研究所教授で、沖縄科学技術大学院大学でも客員教授を務めるスバンテ・ペーボ博士への授与じゅよが決まった。「絶滅ぜつめつしたヒトのゲノム(遺伝情報)と人類の進化に関する発見」が授与理由だ。

 現代のヒトは、学問上は新人に属し、「ホモ・サピエンス」と呼ばれる。これに対し、旧人の「ネアンデルタール人」は絶滅したが、ホモ・サピエンスと共存した期間があったことが知られている。

 ペーボ博士は、発掘はっくつされた古代の人骨などから遺伝子に当たるDNAを抽出ちゅうしゅつして解析かいせきする方法を確立した。2010年にネアンデルタール人の遺伝子配列を解読し、ホモ・サピエンスとネアンデルタール人が共存中に交配していたことを突つき止とめた。欧州おうしゅう系とアジア系の現代人の遺伝子は、それぞれ約1~4%がネアンデルタール人由来であることも判明した。

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