盗撮の現場「見てたよな」「捕まえろ」 消防隊員3人光った連係

女性のスカート内を盗撮しようとした容疑者を取り押さえたとして、大阪府警生野署は、大阪市消防局の消防隊員3人に感謝状を贈った。
同じ消防隊に所属する隊長と隊員で、1年半にわたって数々の現場を共にしてきた3人。日ごろの業務で培った見事な連係プレーで逮捕につなげた。

生野消防署勝山出張所(大阪市生野区)の消防司令の山田大介さん(51)▽消防司令補の小山大輝さん(40)▽消防士の秋山威吹さん(26)――の3人。

8月28日午前10時10分ごろ、大阪市天王寺区のJR大阪環状線桃谷駅の階段。24時間勤務を終えて帰宅中だった3人の横を、30代の男性が追い越していった。

男性は先を行く女性の背後から、スカートの中にスマートフォンを差し入れた。ホームに着くと、女性とは別の方向へ立ち去った。

「見てたよな」。山田さんが声を上げたのを合図に、3人は階段を駆け上がった。

普段の現場でも指揮を執る隊長の山田さんが「そいつを捕まえとけ」と指示。秋山さんと小山さんが男性の方へ、山田さんが女性の方に素早く分かれた。

秋山さんが男性の身柄を確保した。「友達に連絡を取りたい」とスマホを操作しようとした男性の手を押さえ、データを削除されないようにした。

山田さんが女性に声をかけ、小山さんは不測の事態に備えて秋山さんのそばで警戒。3人がそれぞれの役割を果たし、駆け付けた警察官に引き渡した。スマホには盗撮動画が残っていたという。

9月21日に感謝状を手渡した白鷹善之署長は「普段通りの連係を発揮していただき、感謝している」と述べた。【戸田紗友莉】

https://mainichi.jp/articles/20221010/k00/00m/040/034000c

https://cdn.mainichi.jp/vol1/2022/10/10/20221010ddlk27040328000p/9.jpg