■リモートワークは理想の働き方か 増幅する孤独 進む企業の弱体化

リモートワーク鬱の原因は何だったのか。常見氏は、いつでも仕事ができるようになったことで長時間労働や深夜労働を招いたこと、外出をしないことによる運動不足に加えて、孤独感を挙げる。

 リモートワークが定着したことで、毎日の生活から失われた、あるいは大きく減った通勤や同僚と肩を並べて働く体験に大きな意味があったのではないか。これが常見氏の指摘するところだ。

 通勤は気分転換や運動不足解消はもちろん、街の空気に触れることで社会の一員であることを確認する機会にもなっていた。職場でのたわいもない同僚とのやり取りが、イノベーションの源泉であり、組織の一体感を生んでいた。改めて指摘されるとうなずける部分がある。

 仕事のやり取りが対面からオンラインへと移ったことで、口頭ではなく、メールやチャットなどテキストでのやり取りが増え、雑談や内緒話は成立しづらくなった。偶発的なコミュニケーションが発生しないことに加えて、テキストが証拠として残ることに対する心理的なハードルもあるだろう。
https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/special/01241/
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リモートワークの弊害について日経ビジネスの記事に「脳トレ」で有名な川島隆太 東北大学加齢医学研究所所長のインタビュー記事があります。これがこの特集の肝でそれはたったこの一言に集約できます。「対面で会話をしている時には話が盛り上がるとどんどん(脳の活動と)同期が高まっていくのに対して、オンラインの場合には、会話は続いているのに、全く同期しないということが分かりました」です。
https://agora-web.jp/archives/221009214208.html