相手の家に行けばOKなのか 国際ガールズデーに考える「性的同意」

性行為の前に相手の同意を確認する「性的同意」を大切にしていますか――。
「イエスという意思表示がなければノー」といった理解を広げようという大学生の活動が進んでいる。11日は女の子たちが直面する問題を考える国際ガールズデー。

慶応大の学生団体「Safe Campus」(SC)は2020年、インターネットを使って性暴力に関する実態を調査した。
その結果、2年生以上の女性では、「性的発言・性的なジョーク」を45・7%が経験。さらに「同意なく体を触られる」が17%、「同意のない性行為」の被害にも5・3%が遭っていた。大半が飲み会の場で起きていた。

SCは学内約200の団体の代表者に対し、ワークショップを実施。共同代表で修士1年の本田義明さん(23)は「飲み会で性的な話題が出ることはよくある。『こういう話をするけど大丈夫?』と全員の同意を取るべきだし、嫌だと言いづらい空気があるならその環境を作っている側が悪い」と伝えている。

「千葉大学性暴力を考える会」は昨年、どんな行為があれば「性交の同意」と考えるか、アンケートで学生の判断基準を調べた。

「肩を抱く」「2人でお酒を飲む」などでは、「性交の同意である」という回答はなかった。

だが、「互いのうちに行く」「体(手足など)を触る」は1割前後、「抱き合う」「キスする」は2割前後が「性交の同意」と回答。

「ホテルに行く」「服の上から胸や尻を触る」「服を脱がせる」「服を脱がせて胸や尻を触る」「性器に触る」は大多数が「同意」とした。

実際には、すべて性交の同意とはなり得ない。同会は「『同意なき性行為は暴力である』という意識を醸成していく必要性がある」とまとめた。

「一番伝えているのは、『イエス以外はノーだよ』ということです」

上智大生によるサークル「Speak Up Sophia」では18年以降、性的同意への理解を深めようと活動してきた。

共同代表を務める3年生の荒木結愛(ゆめ)さん(21)は「日本のドラマでは、きちんと同意をとってキスやセックスをする描写はほとんどない。むしろ『壁ドン』などがもてはやされている影響はある。私たちの世代の価値観は、上の世代と大きくは変わらないと思う」と指摘する。(塩入彩、阿久沢悦子、伊木緑)

https://www.asahi.com/articles/ASQBC52LGQBCUTIL01F.html

https://www.asahicom.jp/imgopt/img/4d519ca646/comm/AS20221011001362.jpg
https://www.asahicom.jp/imgopt/img/7bd461f67c/comm/AS20221011001363.jpg