https://news.yahoo.co.jp/articles/b124d517fd025c73e2ac45376b7164ace25655bd

「ゲイはみんなエイズを持っている」という偏見も。消防士を辞めた僕は、“無意識の我慢“に疲弊していたと気づいた

「元消防士と元警察官のゲイカップル」として、2021年からYouTubeで動画投稿を始めた2人がいる。大阪市消防局に11年勤めた平田金重さんと、京都府警で16年間勤務した勝山こうへいさんだ。
同年に公務員を辞めた2人。今、平田さんはKANE(カネ)、勝山さんはKOTFE(コッフェ)と名乗り、YouTubeで『KANE and KOTFE』として、水族館デートや物件探しといった日常をおさめた動画を投稿している。

背景にあるのは、「自分らしさを我慢せずに生きられる社会にしたい」との思い。特に「体育会系」や「男社会」と言われる環境は、性的マイノリティなどが生きにくい現状にあると感じてきた。

守秘義務などの観点からなかなか実態が見えない消防や警察という組織で、LGBTQ当事者はどういった思いを抱えて働いているのだろうか。

KANEさんは「ゲイであることを理由に苦しんだり、無理して隠したり、仕事を辞めたりしなくてもいい社会になってほしい」と力を込める。

KOTFEさんは「傷つけてごめんね、わかったよ。無理せず、その気持ちを大切にして、納得するまで一緒にいよう」と言ってくれた。
実家からKOTFEさんの部屋へなだれ込むようにして、同棲が始まった。時間を共有するうちに2人でいることがかけがえのないものになり、1、2年かけてKOTFEさんを好きになっていった。
ないと思った。

KANEさんは、「同性婚の法制化など、社会が変わってほしいと思っていますが、正直、自分達が生きている間は難しいかもしれない。ただ、発信する人は一人でも多い方が良いと思う。また、ありのまま自由に生きたらどうなるか、試してみたいんです」と話す。

動画では、自分がいろんな人に触れて少しずつ変わったように、自分たちの日常を通して、見てくれた人にまずは色々なことを感じてほしい。性的マイノリティが周りに当たり前にいることが伝われば良いなと、漠然と思っている。

やってみて嬉しかったのは、現役でゲイの警察官や、カミングアウトできない50~60代のゲイの人から「なんだか、救われた気持ちになった」などとメッセージをもらったことだ。

「社会ではLGBTQ当事者だけでなく、自分のことを隠したり、思ったことを言えなかったりする人がたくさんいると感じます。僕らが発信していくことで、もしかしたらそういった人の力になれるかもしれない。やっていく中で、自分にできることが見えてくれば良いなと思っています」