【ニューヨーク=西邨紘子】カナダのウラン採掘大手カメコは11日、資産運営会社のブルックフィールド・リニューアブル・パートナーズと組み、投資ファンドのブルックフィールド・アセット・マネジメントから米原子力発電大手ウエスチングハウス(WH)を 買収すると発表した。負債引き受けを含めた支払総額は約79億ドル(約1兆1600億円)。

ロシアによるウクライナ侵攻がエネルギー供給問題や価格高騰に波及する中、代替エネルギーとして原発を再評価する動きが各国で相次ぐ。原発の燃料となるウランも今年に入って取引価格が上昇している。カメコとブルックフィールドは原発の建設や保守サービスに実績を持つWH買収で成長機会取り込みを目指す。

負債を除いたWHの買収額は45億ドル。カメコが出資比率49%で最大株主となり、ブルックフィールドと他の機関投資家が合計で残る51%を取得する。2023年後半の手続き完了を見込む。

WHは2006年に東芝の傘下に入ったが原発建設のコスト増大で財務が悪化し、17年に経営が破綻した。東芝は18年、ブルックフィールド・アセット・マネジメントにWH株式を1ドルで売却した。

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