ウクライナに提供のスターリンク、米国防総省の拠出なければサービス中止も スペースXが要請
https://www.cnn.co.jp/tech/35194623.html

ワシントン(CNN) イーロン・マスク氏率いる米スペースXの衛星インターネット端末「スターリンク」は、
今年春、ウクライナに届いた時からウクライナ軍にとって欠かせない通信手段だった。
ロシアとの戦争で携帯電話やインターネットのネットワークが破壊されても、スターリンクのおかげで戦闘を続け、つながり続けることができていた。

スターリンクの衛星端末はこれまでに約2万台がウクライナに寄付されており、マスク氏は7日、
「運用のためにスペースXが負担した経費は8000万ドル、年末までに1億ドルを超す」とツイートした。

だが、そうした慈善事業は打ち切りになるかもしれない。
CNNが入手した文書によると、スペースXは米国防総省に対し、米軍が月額数千万ドルを拠出しなければ、
ウクライナでのサービスに対する資金提供は中止する可能性があると通告した。

スペースXは先月、国防総省に宛てた書簡の中で、スターリンクのサービスに対する現状のような資金拠出は継続できなくなったと説明。
ウクライナ政府と軍がスターリンクを使うために、米国防総省が拠出を引き継ぐよう申し入れた。
スペースXによると、経費は年内に1億2000万ドル以上、次の1年で約4億ドルに上る。

「我々はウクライナへの端末にこれ以上寄付すべき立場にはなく、既存の端末のために無期限で資金を提供すべき立場にもない」。
スペースXは書簡にそう記していた。

スペースXが国防総省に送った文書の中には、7月にウクライナ軍のバレリー・ザルジニー総司令官がマスク氏に対し、
さらに約8000台のスターリンク端末を求めた内容もあった。

スペースXの外部コンサルタントは別の書簡で
「同社には、ザルジニー総司令官の要請に従って追加の端末やサービスを提供する財政的な能力はないと考える」としている。