https://www.tokyo-np.co.jp/article/208564
八月から県政の取材担当になって千葉県庁本庁舎に通うようになり、気になっていたことがある。各フロアの男子トイレでは、和式便器の個室が洋式よりも多いことだ。
個室の数が三つのトイレが多いように思うが、和式が二、洋式が一、といった具合だ。和式に根強い需要があることは理解しているが、駅や飲食店など身の回りは洋式トイレがほとんど。極端に古い建物ならまだ分かるのだが、本庁舎の完成は一九九六年で、洋式が相当普及していた時期だ。
私は洋式を使いたいのに、数が少ないので空いていないことが多い。体感的には使いたい時はいつも埋まっていて、別の階に移っても埋まっている。反対に和式はほぼ使われていない。
そのたびに理由を考えていた。七年前、埼玉県飯能市の職員が勤務時間に、たびたびトイレなどでスマートフォンゲームをして処分されたというニュースがあった。滞在時間が短くなる和式ではこうした事態は起きにくくなるため、なのかとも頭に浮かんだが、おそらく違うと思う。
県管財課に聞くと、和式が多くなった経緯は記録が見つからず不明。ただ、来庁者や職員からもやはり、洋式を増やしてとの声がたまに寄せられるという。