静岡 裾野 大ホールのスプリンクラー突然作動で楽器が水浸しに
2022年10月19日 15時18分

静岡県裾野市の市民文化センターで先月下旬、スプリンクラーが突然作動して演奏会前のオーケストラの楽器などが水につかりました。
オーケストラ側は、演奏者5人が転倒してけがをし、およそ100点の楽器が水につかったとしていますが、裾野市からこの3週間余り被害に関する問い合わせはなく、対応が不十分だと訴えています。

裾野市の裾野市民文化センターでは先月24日、大ホールのスプリンクラーが突然作動し、舞台と舞台裏で大量の水が降り注ぎました。

市によりますと、当時オーケストラの演奏会の直前で、演奏者や楽器などが水をかぶり、このうち市が所有する音響や照明装置などで、1億5000万円余りの被害が出たということです。

けが人の有無やオーケストラ側の被害は、把握できていないとしています。

一方、焼津市のオーケストラ「シンフォニエッタ静岡」は、楽器を守ろうとした演奏者5人が転んでけがをし、このうち1人が肩の骨を折る大けがをしたほか、およそ100点の楽器が水をかぶり、被害額は少なくとも数千万円に上るとしています。

オーケストラによりますと、この3週間余り市長の定例会見用だとして被害状況を教えてほしいという連絡があったものの、正式な被害の問い合わせやスプリンクラーが作動した原因に関する説明はないということで、市の対応は不十分だと訴えています。

オーケストラの中原朋哉芸術監督は「市民文化センターは市民も利用するホールなので、原因をしっかり究明し説明してほしい。補償をどうするのか、今からでも市の人には誠意を持った対応をしてほしい」と話しています。

一方、施設を所管する裾野市の勝又明彦教育部長は「まずは原因究明を最優先したい。そのうえで楽団の被害への補償について対応を進めさせていただく」と話しています。

オーケストラの芸術監督「舞台上や舞台裏の楽器は全部ぬれた」

当時、オーケストラの芸術監督が撮影した動画では、大ホールの天井のあちこちから水が漏れ出しているのがわかります。
舞台の上には譜面台や楽器が並べられ、水につかっています。
また、床には足のくるぶしあたりまで水がたまっています。

オーケストラによりますと、およそ60人の演奏者たちは傘を持ち出して楽器を守ったり、楽器を運び出したりして大慌てだったということです。

撮影した中原朋哉芸術監督は「急にザーっと音がして、『水が降っている』と大騒ぎになりました。舞台上や舞台裏にあった楽器は全部ぬれました」と話しています。

※略※

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221019/k10013863821000.html