拷問や暴行など「大部分はロシアの責任」、国連総会に人権侵害の詳細報告書を提出…調査委
ロシアによるウクライナ侵略を受けて国連人権理事会が指名した国際調査委員会は18日、ウクライナで侵略初期に起きた人権侵害の「大部分はロシア軍に責任がある」とし、事案を詳細に記した報告書を公表した。報告書は国連総会に提出した。
調査委は9月、人権理事会で「ウクライナで戦争犯罪が行われた」と結論づける報告を行い、露軍による処刑や拷問、性的暴行などについて指摘していた。報告書には、こうした人権侵害が行われた状況の詳細が克明に記された。
報告書によると、露軍が占領した北部チェルニヒウ州の村では住民の男性6人が拘束され、遺体から複数の銃創や喉が切り裂かれた痕が見つかった。別の村では、70人の子どもを含む民間人365人が学校の地下室に1か月近く監禁された。兵士が脅迫のために無差別に発砲したほか、劣悪な環境下で10人の高齢者が死亡した。
被害者が殴打や電気ショックなどの拷問を受けた様子や、家族の目の前で性的暴行を受けた惨状も記録された。
調査委は首都キーウ近郊や東部ハルキウ州など4州の計27か所を訪れ、191人の被害者や目撃者から聞き取り調査を行った。調査は今後も続け、最終的な報告書を来年3月にまとめる。
https://www.yomiuri.co.jp/world/20221019-OYT1T50190/