声を出したら殺すぞーー。8歳の千恵ちゃんは黙って涙を流していた。見知らぬ男に押し倒され、背中には草のひんやりした感覚があった。

大分県の工藤千恵さん(50歳)は、塾帰りの道で見知らぬ男に誘拐され、性暴力を受けた。同級生に被害がばれるのが怖くて不安定になり、体調を崩しがちに。一生、被害者のレッテルを貼られて生きることが嫌になり、自暴自棄になった。

アルコールやセックスに依存した過去もありのままに話し、実名で講演活動をするのは、被害者の現実を、自分の生き方で証明したいとの思いがある。 10月14日に都内で開かれた全国被害者支援フォーラムの講演では、こう語った。

「完全に元の状態に戻れないのも現実です。 苦しみがゼロになることもない。過去と共に一生生きていかなければいけません。 だからといって、でも人生は終わりじゃないというふうに今思っています」

https://news.yahoo.co.jp/articles/a1da21ae726987547db47a6a608f62ea2702b52f