公費でコンパニオン呼び酒宴 埼玉県の消防団、取材に事実認める 識者「衝撃的。相当まずい」 

 埼玉県久喜市の消防団幹部約40人が2019年、市費から大半を充て、視察研修で群馬県渋川市の伊香保温泉にある大型ホテルに1泊し、コンパニオンの女性たちを呼んで酒宴を開いていた実態が、複数の消防団関係者の証言で分かった。久喜市が本紙に開示した同年度の領収書の写しでは、団員が居酒屋などで開いた宴会や家族旅行にも市費から多くを支出。本紙の取材に消防団関係者は「コンパニオンを呼んだのは事実。まずかった。反省したい。温泉宿泊の研修や居酒屋などの宴会は長年続けていた」と認めている。

◆関係者「女性呼んだこと反省」

市によると、視察研修は19年6月16?17日、団長や分団長らが貸し切りバス二台に分乗し、群馬県長野原町の八ッ場やんばダムなどを訪れた。
 宿泊費と昼食代は計約110万円。消防団員は非常勤特別職の地方公務員のため、このうち市が計約50万円を旅費として支給した。残額には市費の消防団運営交付金も充て、大半の団員が全く自己負担していなかった。これとは別に、バス代の計約35万円も市が負担した。
 この他、同6月10?11日、分団としての県外研修でも伊香保温泉のホテルに宿泊して交付金から約10万円を充てた。同9月24日には、団員の家族慰安旅行代にも交付金から全額の約21万円を支出。20年度以降はコロナ禍などもあり、団員の宿泊研修はないという。
 
さらに、本紙が19年度の交付金の領収書写しについて数百枚全てを閲覧した結果、「意見交換会」といった名目で居酒屋や酒処さけどころなどで宴会を開いた可能性が高い写しが少なくとも計約40枚以上、総額約180万円以上が確認された。多くに交付金を充てていた。
 久喜市の消防団員は現在317人。交付金の年間総額は1192万円で、20、21年度は各数十万円返還された。市は他に、分団長などの階級に応じて報酬を年間5万7千?18万4千円支給している。一方で「仕事が大変な割に報酬が少ない。団員は人手不足で宿泊研修や宴会は慰労の面もある」と明かす別の消防関係者もいる。
 市の監査委員は定期監査で交付金について「公金の使途として納税者の理解を得がたい支出となるリスクがある。飲食代などは社会通念上妥当な金額を超える部分は自己負担にするべきだ」と報告している。
 市消防防災課の菊地諭さとし課長は「消防団員は市民の安全に尽力しているが、今後は交付金要綱の運用指針を飲酒や家族旅行はできないように改め、団員には再発防止を周知したい」と話している。

◆昔は似たような話あったが…
<全国の消防団の問題に詳しい関西大社会安全学部の永田尚三教授(消防行政)の話> 温泉での宿泊研修の話は衝撃的だ。相当まずいと思う。昔は似たような話もあったが、いまだにやっているのかという印象だ。家族への慰安も交付金の趣旨とは違うおかしな話。居酒屋などでの宴会も団員は(非常勤特別職の)公務員なので、見直すべきだ。確かに若手の団員が減り、報酬も高くはないが、(消防団関係者の主張は)言い訳に過ぎない。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/209149
エッチなコンパニオン呼んだんかな?