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京都の大学で繰り返される性暴力 冊子配布や研修会、再発防止策に実効性は

酒に酔って抵抗できない状態の女性に性的暴行を加えたとして、同志社大アメリカンフットボール部4年の男子学生4人が準強制性交の罪で起訴された。男子大学生が集団で性的暴行などに及ぶ事件は、京都の大学で繰り返されてきた。各大学は入学ガイダンスや授業などで再発防止策に取り組むが、効果は未知数だ。

 同志社大は2007年にもラグビー部の現役部員3人が女性を無理やり車に連れ込もうとしたとして、わいせつ略取未遂罪で有罪判決を受けた。

 これを受け、運動部でつくる「体育会本部」が年1回の研修会をスタートさせ、各部の代表者が飲酒時のマナーなどを学んできた。大学当局も、入学時には性犯罪に関する注意事項を記した冊子を配布していた。だが、性犯罪加害を防ぐことに特化した教育や指導はなく、再び学生が逮捕される事態となった。

 京都教育大では09年、複数の体育会系クラブの男子学生が女性に酒を飲ませ性的暴行を加える事件があった。10年度から全学生が受講できる授業「性倫理と性教育」を新設し、現在も毎年開講している。学生でつくる体育会も10年度以降、性暴力やその構造を学ぶ研修会を続けてきた。同大学は「効果は数字では評価しにくいが、09年以降は学生が加害者になる性暴力は把握していない」とする。

 立命館大は「性暴力に限定した研修などはないが、広くハラスメント行為などを根絶するための研修会は毎年している」とする。

 京都産業大は「全学生に冊子を配って飲酒トラブルやハラスメントへの注意を促したり、学生や教職員向けに性暴力などに関する人権講演会を開いたりしている」と回答したが、「講演会への学生参加は少ない」と課題を上げた。