何者かがサウナの温度を勝手に140度に…“犯人”はどんな罪に問われるのか?
【「表と裏」の法律知識】#156
近年のサウナブームで、銭湯やサウナ併設のカプセルホテルではサウナ利用客が増えています。
利用客は、90~120度のサウナで体を温め、水風呂、外気浴を2~3セット繰り返し、いわゆる「ととのう」という心身共にすっきりした状態を目指すようです。
そのようなサウナブームの中、理由はわかりませんが、最悪死に至るような「いたずら」が起こって騒ぎになっています。
10月14日午後9時ごろ、滋賀県にある「都湯─ZEZE─」という老舗銭湯で、利用者が勝手にサウナ室の温度を140度にするという事件がありました。
普段は120度の設定にし高温ドライサウナを売りにしている施設のようですが、何者かが脱衣所にある制御盤を操作し140度に設定を変更したようです。
120度でもかなり高温であり、慣れていない人だと肌が焼ける感覚や鼻の奥が熱さで痛くなるほどの温度ですが、140度となると低温やけどややけど、炎症を引き起こすほどの温度になります。
犯人が見つかっていないため、悪ふざけなのか施設への嫌がらせなのか、その目的はまだわかってはいません。
しかし、施設管理者の知らぬ間にサウナ室の温度を勝手に変更した場合には、「人の不知を利用」し、本来の営業活動を妨害するものとして、銭湯に対する偽計業務妨害罪(刑法233条)が成立します。
また、140度もの高温にすれば、人がやけどをしてしまうことも容易に想像できるでしょう。
そのため、実際にサウナ利用者がケガをした場合には、傷害罪(刑法204条)や過失傷害罪(刑法209条1項)にもなる可能性があります。
さらにやけどなどの傷害結果に対する多額の賠償を求められるケースも考えられます。
最悪の場合、利用者が死亡する危険性すらあるのですから、単に「いたずら」では許されない行為であることはいうまでもありません。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6e05e4f7dcb0449e369d2cdf1341659be027a25d