子ども同士で「被害者」と「加害者」に…児童養護施設で起こる「性被害」の過酷な現実(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/0ea342bb65c6c5fa7089bb1d7d90bab4116234d5
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ニューハーフヘルス嬢で男の娘AVにも出演している荒金さとみさんのお話しだ。荒金さんの半生は拙著『男娼』に書かせていただいた。その取材のさいに性被害の話が出た。『男性→男性』への被害、そして『子供→子供』と加害も被害も子供のケースだ。
荒金さんは母と子の一人親家庭で育ち、小学5年生のときに母親が亡くなったため、児童養護施設で生活することになった。その施設で同級生と先輩から被害に遭い、小6でいきなり肛門性交を経験することになる。その後、高校生になり、寮でも被害に遭った。今回、荒金さんにあらためて話を伺ってみた。
「一番最初は小6で11歳の頃、相手は同級生です。あとから先輩からも。男性と女性を建物で厳格に分けていたので、そうすると、その中で女性に近い雰囲気の子を犯してしまったりとそういうことが起きるんです。それが施設の中で頻繁に起きていて、ほかの人も犠牲になっていました。さわられるぐらいは毎日普通にありました」
「小中高の6年で3回施設を変わっていますが、3回ともそういうこと(性被害)が起きました。相手はゲイではなく、全員ノンケ(異性愛者)です。
そのうち放課後、施設へは帰りたくなくなり、友達の家に2~6人で集まってAV鑑賞会をよくしていました。そのときは施設で起きたような同性間性被害は一切起きず、むしろ学校の友達との関係は健全そのものでした。
施設も一般家庭と同じように、エロ本などの所持品の自由と孤立できるプライベートな自由を確保し、児童には『自分は自分、他人は他人』として接するよう指導すれば、施設内での性被害は防げるのではないかと思います」
大変な経験をされてきましたね……としか返答のしようがない内容だ。児童養護施設でも高校の寮でも性被害に遭い、加害してくるのはゲイ男性ではなく異性愛の男性。
私の友人のゲイ男性数人も、高校時代(男子校)、寮で被害に遭っている。こちらも加害してきたのは異性愛者という共通点がある。そして被害者のゲイ男性は身長が高くなく細身で小柄な点も共通している。
高まり抑えられない性欲を、女性らしい背格好の男子生徒に求め加害することは、公にならないだけで確実に起きている。
荒金さんはじめ、私の友人たちも深く傷ついたとは言わないけれど、不快な思い出、あるいは消化できないモヤモヤする出来事だったと話している。これらから導かれるのは、思春期の男子だけの生活施設には、性的欲求を解消させるTENGA等の導入が必要ということだろうか。10代の性衝動はそれだけ強い。
荒金さん曰く「所持品としてエロ本やAVなどアダルト関連のものは没収せずに、ある程度は見逃してあげたほうがいい」とのことだ。
荒金さんがいた児童養護施設は、エロ本やアダルトビデオは没収され、所持品も管理されていたため、性的欲求を発散させることができず、逆に抑圧される環境になっていたそうだ。
この荒金さんのケースである、児童養護施設での子ども同士の性被害・性加害に関して、厚生労働省が2018年に実態調査する方針を発表した。被害が表面化し看過できない状況になったのだろう。
(後略