中国の格安EVが日本市場を調査 巡回介護車などに用途
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ184CA0Y2A011C2000000/

中国の自動車メーカー、上汽通用五菱汽車が日本市場の調査を始めた。来春までに、格安電気自動車(EV)「宏光MINI EV」の対日輸出の準備を整える。このEVは中国の地方都市・農村で「代歩車(足代わりの車)」として大ヒットしたが、日本ではその手軽さが別の用途を生む可能性がある。

「日本製の小型車の半分以下の価格で提供できる」。アパテックモーターズ(東京・品川)の孫峰・代表取締役は18日、物流大手が都内で開いたイベントで、宏光MINI EVの価格競争力を訴えた。

アパテックは今年3月、上汽通用五菱から日本市場の調査を受託し、需要動向を探ってきた。この日のイベントでは、個人の運送事業者らから「日本でも家庭用電源で充電できるのか」「メンテナンス体制は」などの質問が寄せられた。

この車種は2020年7月に発売され、中国市場では9月まで25か月連続で販売台数が最も多い中国ブランドのEVだ。日本の軽自動車に近い大きさの4人乗りで、ブレーキの簡素化などで低価格を実現した。欧州などへの輸出実績があり、日本では円安の逆風下ながら1台65万円からという安値を予定している。

中国EVの日本参入は数年前からバスやトラックで相次ぎ、23年1月には比亜迪(BYD)が多目的スポーツ車(SUV)を発売する。これらは通常の商用車や乗用車の置き換え需要が狙いだが、孫氏は「宏光MINI EVには全く別の引き合いがある」と語る。