わいせつ目的という悪意を隠して不安や悩みを抱える子どもに近づき、手なずけることを犯罪用語で「グルーミング」と呼ぶ。普及したSNS(ネット交流サービス)を介して中高生を中心とする子どもが性犯罪被害に遭うケースが相次いでおり、法務省が罰則化の試案を法制審議会の部会に示した。英語で「動物の毛繕い」という本来の意味から懸け離れた卑劣な行為の手口とは。

「一緒に暮らそう」と誘拐
 茨城県下妻市の男性(22)は4月上旬、ツイッターで知り合った神戸市の女子中学生(当時14歳)に会うため、約500キロ離れた神戸市に向かった。実家暮らしの無職。旅費は知人に借りた。2人は約1カ月前から無料通信アプリ「LINE(ライン)」などで毎日のように連絡を取っていた。女子生徒から交際を申し込まれ、受け入れたという。

神戸市周辺で3日間滞在し、女子生徒と初めて顔を合わせた日にカラオケ店内で性行為をした。下妻市の自宅に戻った後も「一緒に暮らそう」などとLINEで誘い続けた。女子生徒も「初めて会ってから、ずっと一緒にいたいと思うようになった」という。

男性は約1週間後、再び神戸市に。学校帰りの女子生徒とコンビニで待ち合わせ、今度は夜行バスで両親と同居する自宅に向かった。だが、その暮らしは3日で終わった。「娘が帰ってこない」との届け出を受け、女子生徒の行方を追っていた兵庫県警の捜査員に未成年者誘拐容疑で現行犯逮捕された。
 https://mainichi.jp/articles/20221028/k00/00m/040/230000c