陸自訓練で熱中症死と提訴 遺族が熊本地裁に
2022/10/31 22:04
陸上自衛隊第8師団(熊本市)の男性隊員=当時(31)=が昨年、訓練中に熱中症で搬送され死亡したのは、隊内の准看護師や教官の職務上の注意義務違反が原因だったとして、遺族が国に約1億1300万円の損害賠償を求め熊本地裁に提訴したことが31日、分かった。5日付。
訴状によると、男性は昨年9月13日、レンジャー教育と呼ばれる激しい訓練に参加。夜に発熱や食欲減退を訴え、病院に電話で相談した。その後も発熱などの症状が断続。16日、医師から改善するまで訓練を中止するよう指示を受けた准看護師が、20日朝まで経過観察した方がよいと教官3人に報告、了承を受けた。
だが男性は19日に訓練を再開。翌20日の訓練中に動けなくなり救急搬送された。熱中症により体温調節ができず、多臓器不全が進行していると判断され、11月2日に死亡した。
第8師団がある北熊本駐屯地は取材に「訓練に参加していた男性が亡くなったのは事実。訴状を精査しており、それ以外のコメントは差し控える」としている。
https://www.sankei.com/article/20221031-YWRQRWCUEJLOBG6SEGVQ5YX4MQ/