これまで、Twitter上でアングラ界隈をテーマとしたイラストを発表してきたusagi氏が『地元最高!』というアカウントを作成したのは’21年のこと。
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そこで登場人物は全員かわいい女の子ながら「薬物」「貧困」「暴力」エピソードに溢れたマンガを投稿するや、アウトローな内容と小学生が描いたような絵のギャップが「クセになる」とたちまち話題沸騰。単行本出版に至った。
性別も年齢も非公開のこの作者は、なぜ急に異色マンガをアップし始めたのか。
「学生時代に友人とマンガを描いて出版社に持ち込んだことがあったんですけど、全然ダメだった。それ以降はイラストを描いていましたが、ふとまたマンガを描いてみようかなと思い立ったのです。
タイトルの『地元』は地方都市からも離れた田舎。車がなかったら生活できなくて、田んぼもちょくちょくある。服を買う場所は近所のイオンしかない――。そんな場所をイメージしています。
アニメ『けいおん!』では、暇を持て余した女の子たちがバンドを組みますよね。でも、実際に田舎で女の子が集まって起きるのは、明るいことだけじゃない。地元から出たことがないし、出られない彼女たちの環境を『地元最高!』というタイトルで表現しました」
日常系マンガによく見られる楽しい内容ではなく、閉塞感のある日々に着目した作品だが、作中で生々しい隠語や不穏な言葉を発する女の子たちの多くは身近な人物がモデルなのだとか。
「主人公の紗音琉(しゃねる)ちゃんのモデルとなっているのは実は男性なんです。象徴的なキャラクターにするために、見た目は全身ピンクで、髪型は金髪のツインテール。妹の名前は可子(ここ)ちゃんにしました。
紗音琉ちゃんたちを束ねる姉貴分の紅麗亞(くれあ)さんは見た目も中身も私の知人の恋人がモデルですね。知人が恋人とステーキを食べに行った際、普通に会話をしていたら彼女が急にキレて、フォークを彼の手にぶっ刺したという話を聞いて、暴力で人を支配する紅麗亞さんというキャラクターが誕生しました」
アウトローマンガでは、まずお目にかかれないデフォルメされた可愛らしいイラスト。そこにはより恐怖を引きたてるための工夫があると言う。
「鳥山明作品が好きで、昔、私が描いていたマンガの絵柄はそちらに寄っていました。しかし、今回は暴力や薬物などがベースのテーマになっているので、その対極にある絵柄がいいだろうと、子供が描く絵を画像検索して、それっぽく描く練習をしました(笑)。あえて1コマだけ繊細に描くこともありますが、それは先人から学びました。藤子不二雄A先生や赤塚不二夫先生はそうやって恐怖や笑いを引き出していたんです。その技法を参考にしました」
略)
https://news.yahoo.co.jp/articles/e3ca0a75559bd815f70e0af48ebdf485ac4bee3e
続)