精神疾患のため十分な判断能力がない男性ら2人から「電磁波攻撃を調査する」などと実体のない調査の契約を結んだとして、警視庁生活安全総務課は2日、準詐欺の疑いで、東京都港区芝浦の探偵会社の社長、安藤巨樹(なおき)容疑者(49)と、従業員の男2人を逮捕した。同課は、3人の認否を明らかにしていない。

逮捕容疑は、令和2年5~11月、「電磁波攻撃や騒音被害を受けている」と相談した精神疾患の当時50代の男性に対し、「客観的証拠を取りましょう」「誰かが故意に電磁波を出している可能性があります」などと探偵調査を契約させ、計73万9200円をだまし取ったなどとしている。

同課は、安藤容疑者らが200人以上に対し同様の契約をし、計1億3千万円を売り上げていたとみている。調査内容はずさんで、判断能力の低さにつけ込んで契約させたとみられる。

安藤容疑者らは、東京都渋谷区で「あなたの街の探偵社」との名称の会社を運営。サイトに「ストーカー・嫌がらせ対策室」というページを設け、精神疾患の幻覚や妄想の症状によるとみられる「集団ストーカー」や「電磁波攻撃」などについて、「調査・解決します」とうたっていた。

国民生活センターは平成24年ごろから電磁波調査の契約トラブルを確認し、約100件が報告されている。精神疾患がある人は悪質業者に気付かないケースがあり、センターの担当者は「家族や周りの人は契約内容を注意深く確認し、不審な請求書が届くといった生活の変化を察知してほしい」と話している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/220e1b233a7ae7947f2681265cdd71e3caeed7fb