政府の個人情報保護委員会は2日、多数の破産者の個人データを違法に公開しているとして、「破産者マップ」と呼ばれるウェブサイトの運営者に停止命令を出したと発表した。今年7月に停止勧告を出していた。今後、サイト閉鎖などの対応がとられない場合には刑事告発する方針だ。
このサイトは、破産者の名前と住所をグーグルマップ上に表示する。情報を削除するのに暗号資産で12万円分の支払いも要求している。保護委によると、今年3月にサイトが確認されてから、400件以上の相談があった。保護委は「個人の重大な権利利益の侵害が切迫している」と指摘している。
ただ、このサイトは海外にサーバーのあるサービスを使っていて、運営者は特定できていない。7月の勧告と同様、今回も書面が届いたとみなす「公示送達」という方法で命令を出した。命令が有効になる6週間後も違法な公開が続いている場合には、刑事告発する方針で検討している。
類似の事案で、保護委が停止命令を出すのは今回で4例目。これまでの類似サイトは、保護委の指導や命令をうけていずれも閉鎖しているという。（渡辺淳基）
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