橘玲
驚異的なテクノロジーの発展によって、いまでは「より少ない資源でより多くのものをつくる」ことが可能になりました。
1991年の家電量販店の広告に掲載されていたカメラ、ビデオカメラ、ラジオ、携帯電話、テープレコーダーなどの家電製品に加えて、
GPSや大量の地図、CDまでが、わずか30年後には1台の小さな機械(スマホ)に収まっています。
これは控えめにいっても驚くべき進歩です。

こうした「脱物質化」が、いまやあらゆる分野で起きています。
この驚異を実現したのが高度化する資本主義とテクノロジーで、経済格差の拡大やデジタルデバイトはその負の側面にすぎません。
そのことをとりあえず脇に置いておくのなら、わたしたちは「どんどんよくなる」素晴らしい世界を生きているようです。