「梨泰院惨事、税金で支援金を支給するな」反対請願が登場

 梨泰院(イテウォン)惨事に関連した葬儀、治療費用を税金で支援することに慎重を期してほしいという国会の国民同意請願の同意数が
2万9000人を超えた。

 3日、国会国民同意請願に先月31日に投稿された「梨泰院事故関連状況の税金使用に関する法律改正に関する請願」の同意数は
この日午後5時40分基準で2万9126人となった。

 請願者は請願の趣旨について「梨泰院事故はその遺族には悲しく、惨事と言えるが、このような大勢の死傷者発生で記事化し、
イシュー化する度に前現政権の独断的で合理的でない決定で国民の税金を使うことは不適切だと考え、該当請願を提出する」と明らかにした。

 また「すべての事件の経緯を排除した大規模な死傷者発生件の金銭的支援をはじめ、今回の梨泰院事故の葬儀費用と治療費支援は納得し難い」
と主張した。

 また「税金がどのように使われるのか、税金使用に対する法がより細かく、厳格で慎重に使われるよう改正されなければならない」として
「規定されていない支援は妥当性を検討して支援する一方で、より迅速に対処できるようにするのが正しい」と話した。

 同時に「国民の税金を支援名目の下に使うことで世論を一時的に落ち着かせるものとして使ったり、慣習的に考えて支援を決めたりするのではなく、
根本的な原因究明と事故が起きた時に献身する人により良い支援と環境を整え、再発防止に使わなければならない」と強調した。

 国会国民同意請願は30日以内に5万人の同意を得れば受け付け、所管委員会および関連委員会に回付される。委員会審査で採択された場合、
本会議付議年審議、議決が行われる。

 これに先立って、政府は先月30日、ソウル龍山区を特別災難地域として宣言し、これによって死傷者に対する政府の支援が行われた。

 政府は梨泰院圧死惨事に関連し、死亡者には葬儀費を最大1500万ウォン(約155万円)まで支給し、搬送費用も支援する。

https://japanese.joins.com/JArticle/297371

【コラム】政府のせい、被害者のせい、でなければハロウィンのせい?=韓国(1)

◆被害者を恨む心理

 カトリーナ当時、ニューオーリンズ市民のうち10万人が避難指示を守らず残っていたため被害を受けた。
犠牲者への同情と救護を送りながらも自業自得を指摘する米国人も多かったという。
そのうえ「メディアは蔓延した無法状態と暴動のように見える状況を描写し、
私たち全員から犠牲者の過ちを捜し出そうとする衝動を引き出した」とジョーンズは述べる。
事実は市民の中には自動車を持っていないか、避難命令を聞くのが遅すぎてやむをえず残っていた場合が多かったという。
このような事実を無視して犠牲者に同情しながらも「犠牲者に責任を問うことによって自身を犠牲者と分離しようとする人間の欲求」、
すなわち「残念だがあの人々は気を付けなかったせいだ。私と私の家族は気を付ければ大丈夫」という
人間の欲求は常にあるとジョーンズは厳しい忠告を与える。

 梨泰院惨事に対する反応と重なる部分があるではないか。
特に韓国メディアの「救急車の横で歌を歌う」など編集されていないノーフィルターの報道および
「現場に行った人間はみんなあのような感じだろう」というように皮肉るコメントと重なる。
実際、そのような人も一部いたが、それがこの圧死事故の核心ではない。
ソウル大学言論情報学科のキム・ウンミ教授は「韓国ニュースが大衆に伝えられる方法が
主にポータルを通じてスーパーマーケットの棚に陳列されるように提示されているため、
競争の中で速報や刺激的なニュースに集中することになる」と指摘する。

 誰かは「自然災害で亡くなった人と遊んでいて亡くなった人をどうやったら比較できるのか」と主張するかもしれない。
実際に「そこになぜ行ったか」「働いていて亡くなったのではなく、遊んでいて亡くなった人々に対して哀悼期間まで持たなければならないのか」
という言葉がインターネットやソーシャルメディアで少なからず出ている。
しかし私たちの大部分は仕事もして遊びもする人間だ。そのうえ遊びこそが人類文化の起源であり原動力であると、
オランダ文化史学者ヨハン・ホイジンガは『ホモ・ルーデンス(遊ぶ人間)』(1938)で主張した。

https://japanese.joins.com/JArticle/297401