https://www.kissei.co.jp/news/2022/20220928-4528.html

透析患者におけるそう痒症治療薬「ジフェリケファリン酢酸塩」の国内製造販売承認申請のお知らせ

 キッセイ薬品工業株式会社と丸石製薬株式会社は、この度、両社が共同開発した「ジフェリケファリン酢酸塩(一般名)を有効成分とした注射剤(開発番号:MR13A9)」について、丸石製薬が血液透析患者におけるそう痒症の改善を適応症とした日本国内における製造販売承認申請を行いましたので、お知らせいたします。

 ジフェリケファリン酢酸塩は、カラセラピューティクス社により創製されたκオピオイド受容体作動薬で、これを有効成分とした本剤は、血液透析患者におけるそう痒症の改善を適応症とした世界初の静脈注射用製剤です。本剤は、血液透析患者の中等度から重度のそう痒症治療薬として、米国では2021年8月に、欧州では2022年4月に承認を取得しています。丸石製薬は2013年4月にカラ社より本剤を導入し、2017年3月よりキッセイ薬品と国内で共同開発を進めてまいりました。

 キッセイ薬品と丸石製薬は、そう痒症治療の選択肢を広げ、透析患者さんのQOL向上に一層貢献できるよう努めてまいります

《ご参考》

透析患者におけるそう痒症について
 そう痒症は、かゆみの原因となる明らかな皮膚病変がないにもかかわらずかゆみが生じる病態で、透析治療を受ける慢性腎不全患者さんに多く認められる症状です。かゆみは長期にわたり継続し、強い精神的苦痛に繋がることから、著しくQOLを低下し、睡眠障害、うつ病、死亡リスクの上昇等の精神的、肉体的な健康に影響を及ぼすことが報告されています。

ジフェリケファリン酢酸塩(一般名、開発番号:MR13A9)について
 ジフェリケファリン酢酸塩は、カラ社により創製された新規化合物で、選択的なκオピオイド受容体(KOR)作動薬です。内因性オピオイドは発現メカニズムの一つとして透析患者さんのかゆみに関与していると考えられており、ジフェリケファリン酢酸塩はオピオイド受容体のサブタイプの一つであるKORを選択的に活性化させることで、かゆみを抑えることが期待されています。