■高機能クッカーの思わぬ危険性

登山用ストーブの不完全燃焼に加えて一酸化炭素が発生する原因となるのが、
鍋底に「ヒートエクスチェンジャー」などと呼ばれる、蛇腹状のフィンを備えたクッカーだ。
こうした構造で熱効率を高めたクッカーは短時間で調理でき、燃料の節約ができるため愛用者も多い。
しかし、このタイプのクッカーはフィンによって中央部に当たる炎に酸素が供給されにくく、
正しく使用した場合でも一酸化炭素が発生する。

登山用クッカーに限らず、過去には家庭用の調理鍋でも、
ガスの燃焼効率を高めるために類似のフィンを備えた製品が販売されたことがあった。
しかし、発売後に一酸化炭素が発生することがわかり、販売を停止した例もある。
家屋内で使用することが前提なので、その危険性は容易に想像できるというものだ。
燃焼器具と同様、こうした高効率クッカーも屋外用となっている。
こうしたヒートエクスチェンジャー付きの高効率クッカーを購入する場合、
あるいはすでに使用している場合は、「常に一酸化炭素が発生する」という特性を
理解した上で使用することが重要だ。